吸血種(イエダニ・トリサシダニ)

(イエダニ)

学名

Ornithonyssus bacoti (HIRST)

特徴

吸血種はダニの中でも中気門類と呼ばれ、
恒温動物の血液を栄養源にしているダニで、
それぞれ宿主に依り種が分かれる。
代表格はイエダニで宿主はネズミ、
大きさは約0.7mm長、卵型褐色で、吸血すると赤色〜暗褐色に変化する。
世界全域に生息し、主にクマネズミに寄生、通常は巣内で生息し、
雌は吸血後2〜3日で産卵、
夏季に巣内で大発生し家屋内に分散し、ヒトを吸血する。

名称的にイエダニはダニの総称の様に思われる方が多いが、
数万種にも及ぶダニの一種でしかない。

トリサシダニは体長0.7mm、
イエダニによく似ているが、鳥類に寄生するダニで、全世界に分布。
ムクドリ・ツバメ・スズメなどの巣から這い出し、
ヒトに移って激しく吸血する。

対策法

宿主の巣の除去、ならびに進入の防止。
当ダニ類は比較的薬剤に対する感受性が高いため、
ピレスロイド系の燻煙剤と残留剤の併用により対策を行う。
特に巣の周りについては強く処理を施す必要がある。

イエダニに関しては、まずネズミを駆除すること。
ネズミの巣の発見につとめ、見つかったら焼却する。

殺虫剤によるイエダニの駆除は、
イエダニの潜み場所、たとえば床の割れ目、天井、家具、
部屋のすみなどにゆきわたるように散布する。
煙霧やULV(超微量散布)、くん煙などの方式もよい。
殺虫剤には、フェニトロチオン、フェンチオン、ダイアジノン、ペルメトリンなどが有効。

トリサシダニに関しては、
家屋の屋根裏や軒などに営巣した野鳥の巣が原因である場合は、
これらを除去して焼却するとともに、
フェニトロチオン、ペルメトリンなどの殺虫剤を散布する。

鶏舎では、ニワトリの体上特に肛門付近や頭部に寄生したり、
柱や板の割れ目に潜んでいるので、
マラサイオン、ペルメトリンの乳剤を舎内に残留噴霧したり、
ニワトリの体表に直接噴霧または散粉を行う。

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このページを作成するに当たり、

「原色図鑑
 衛生害虫と衣食住の害虫」

(安富和男・梅谷献二共著
 全国農村教育協会発行)

「都市害虫百科」
(松崎沙和子・武衛和雄共著
 朝倉書店発行)

の内容を引用させて頂きました。